◆日本で30年前に公開された『となりのトトロ』が中国で初上映
30年前に公開された宮崎駿監督のアニメ映画「となりのトトロ」の上映が14日、中国各地の映画館で始まった。
「となりのトトロ」はカルト的な人気を誇る作品にも関わらず、中国ではこれまで上映されていなかった。また、中国は外国映画の上映本数に厳しい制限をかけており、ジブリ作品が公開されるのは今回が初めて。
ジブリ作品が中国で公開されるのは今回が初めてとなるが、多くの中国人が、海賊版や違法アップロードサイトで『トトロ』を子供の頃に視聴しているのだという。
◆わずか3日で興収15億円のヒットとなっている
3日で興行収入1300万ドル(約15億円)を突破したと、大手エンターテインメントメディアの「Variety」が報じている。
スタジオジブリは今回の興行結果などを踏まえ、他の作品についても中国で上映できるか検討するとしている。
◆今年は『万引き家族』や『名探偵コナン』も中国でヒット
日本アニメの中国でのヒットは、11月に公開された『名探偵コナン ゼロの執行人』が記憶に新しい。公開最初の週末で興行収入8000万元(約18億円)を突破。累計興行収入は1億2000万元(約20億円)を超えた。
今年6月に中国で公開された『ドラえもん のび太の宝島』は、累計興行収入は2億元(約33億円)を記録している。
『万引き家族』は、中国でも大人気を博した。中国全土約6000スクリーンで公開され、8月3~11日の興行収入だけで8390万元(約13億円)。なんと公開9日間で中国で放映された歴代の実写邦画を抜き、第1位の座を取ったのだ。
◆過去には『君の名は。』や『空海』なども好成績を収めた
フジテレビ系月9ドラマ「101回目のプロポーズ」を中国・日本の合作映画としてリメイク。中国全土で公開されるや興収30億円、動員660万人を突破する大ヒットを記録した。
2013年
「君の名は。」は、中国では12月2日に公開され、大ヒットとなったが、2月2日に中国全土で上映終了となった。興行収入は5億7662万4000元(約95億円)で、これは「STAND BY ME ドラえもん」が保持していた中国における日本アニメの興行収入記録を更新した。
2016-2017年
夢枕獏(ゆめまくらばく)氏の小説を原作として、中国人監督の下で空海役を務めた若手の染谷将太氏をはじめ、日中の人気俳優が共演した映画『空海ーKU-KAIー』。昨年12月に中国で上映され、90億円を超える興行収入を上げた。
2017年
◆すでに世界一の規模となった中国映画市場
中国で映画の市場規模が急拡大している。2017年の興行収入は前年比13.5%増の約559億元(約9650億円)と日本の4倍超。
最新のデータによると、今年第1四半期には、中国映画市場の興行収入が202億1700万元(約3436億9000万円)に達し、米国の28億9000万ドル(約3185億2700万円)を抜いて初めて世界一になった。経済日報が伝えた。
2018年
中国映画市場は10年以降、おおむね10%のペースで拡大している。20年には世界最大の700億元(約1兆2000億円)規模に達する見通しだ。
◆ハリウッド映画ももはや中国市場抜きには考えられないとも
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、「すでにハリウッドは中国と離れられず、中国なしに映画業界は成り立たない」と報道。中国からの潤沢な投資と、約10億人の潜在的な観客が、ハリウッド映画の支柱になるつつあるとしている。
2017年
中国の国営または民営映画会社からハリウッドへの投資額は年々拡大し、付加条件も多様化。映画のストーリーやキャスティングにも発言権を持つまでになっている。
中国の映画市場は安定的で健全な成長を維持し、世界の映画市場の成長におけるメインエンジンとなった。
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