■医師のブラックな労働環境が問題視されている
医師は患者の命や健康に深く関わるという業務の特殊さや、一般的に高額の給与をもらうことなどから、「長時間残業やサービス残業をして当たり前」と思われがち
連続36時間労働が当たり前で、医師の多くは厚生労働省の定める過労死レベルをはるかに超える労働時間を働き、毎年のように医師過労死のニュースが報道される
医師自身の心身の健康がなければ、医療の質を保つことは難しい。心身の健康を維持するためには、医師こそ日常的に十分な休養が不可欠
■相次いだ「医大入試不正問題」
東京医科大が2017年と2018年の入試で、女子や浪人の受験生らの得点を減点していた
岩手医科大学、金沢医科大学、福岡大学、順天堂大学、北里大学、日本大学医学部なども不正な入試を実施
うち、不正を認めた九校は計百人以上の追加合格を検討しており、多くは来春の入試枠を充てる。
■この不正入試も「医師のブラックな労働環境」が少なからず関わっている
女性医師の取った休みの分の仕事は、容赦なく男性医師に乗せられる。例えば外科医10人チームの病院で月に3回当直をしていた外科医は、一人抜けると月に4, 5回は当直をしなければならなくなる
重要な点は、病院ではこのような場合、医師を補充して業務負担を増えないようにする対応はほとんどないという点
病院の収支を決めているのは、大雑把に言えば国。規制産業の一部である病院経営は、強く規制当局である厚生労働省に左右されています。その結果、医師の数は常に最低限となっており、現場はカツカツの状況となっています。
■以上のような「異常」と思われる状況を改善しようと厚労省は「休息義務制度」の導入を考えている
アフロ
A general view of the Central Government Building No.5, Main Building housing the Ministry of Health, Labour and Welfare, the Ministry of the Environment in Tokyo on November 15, 2018, Japan. (Photo … by 写真:西村尚己/アフロ
医師の働き方改革を巡り、厚生労働省は17日の有識者検討会で、仕事を終えてから次に働き始めるまで一定の休息時間を確保する「勤務間インターバル」を「9時間」、宿直明けは「18時間」とする案を示した
厚労省は、一般の医療機関で働く医師の残業については上限を「年960時間」とする方向で調整している。
地域の中核的な医療機関の医師や、診療経験を積む必要がある研修医は、残業時間の上限を大幅に緩和する代わりに、インターバルの取得を義務づける
■医師の働き方を見直す案を提案。しかし反対が…
引き継ぎを含めた連続勤務時間は米国の例を参考に「28時間」
この日の検討会で、複数の委員から「かなり厳しい設定だ。地域医療は守られるのか」「義務化したら現場はとても回らない」と批判が相次いだ
「地域医療が成り立たない」「医師を確保できない」として実態にそぐわないとの意見も
■いったいどうなるのか?世論の注目度も高い
「日本の医師の働き方改革 休息義務9時間に批判」という見出しをみて、休息が短すぎるって言う物分かりのいい人がいるのかと思ったら、現場が回らない奴隷労働は辞められないっていう老害意見だった。こういう老害は日本に限らずどこの国にもいますけど無視するのが国の仕事ですね。