■歯科医院の倒産が増加の兆し?
東京商工リサーチによると、2017年度の倒産件数は20件となり、前年度からほぼ2倍増(前年度比81.8%増)となった
20件台は1994年度(20件)以来23年ぶり
■歯科業界では今、悪循環が起きている
多すぎる歯科医院
厚生労働省が18年3月に公表した「医療施設動態調査(2018年1月末概数)」によると、歯科医院はこの10年で951カ所も増えている
日本歯科医師会の発表によれば、日本全国にある歯科医院の数は約6万8000軒。これは全国にあるコンビニの店舗数(2017年12月現在で約5万5000店舗)よりも多い
保険診療だけで充分な収入が得られる歯科医の適性数は人口10万人あたり50人が目安とされるが、今や全国平均で約80人
少ない患者を奪いあう
一方で、国民一人当たりの虫歯本数は、1987年の9.5本から2011年は3.2本と約3分の1に激減している
「学校保健統計調査」によると、虫歯の子供の割合は減少を続けており、小学生ではピークだった1979年度の94.76%に比べて50.76%(2015年度)、幼稚園では1970年度の95.40%に比べて36.23%(2015年度)と大幅に減りました
結果、経営悪化に陥るという悪循環に
歯科医はまさに今、過当競争の時代にあり、経営が悪化して倒産する歯科医院も少なくない
歯科業界誌記者によれば、首都圏を中心に新設歯科診療所の約3割が開業3年目に経営危機、閉鎖の憂き目に遭っている
増え続ける過当競争の中で、年間1,600ほどの病院が閉院となっている実態がある
■現代の歯科業界では経営能力が求められる
■今や歯科医は「高給」な仕事ではなくなりつつある
高収入のイメージが強いお医者さんですが、同じ医師の中でも、年を追って平均年収の下がっている分野があります。それは歯医者さんです
厚生労働省『平成27年賃金構造基本統計調査』によれば、歯科医師の平均年収は約655万円(38.2歳)だが、収入の最も低いグループの平均月収は約15万7000円
かつては高収入の職業の代表格と思われていた歯科医だが、今やワーキングプア状態の歯科医も少なくないという話も
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