■アレルギー
食べ物や花粉など私たちの体に害を与えない物質に対しても「有害な物質だ!」と過剰に反応して、攻撃をし過ぎる結果、逆にマイナスの症状を引き起こしてしまうのが「アレルギー」
免疫反応を調整する仕組みに問題があったり、消化・吸収機能が未熟だと、食べ物を異物として認識してしまうことがあります。
■このアレルギーのうち「納豆アレルギー」という症状がある
納豆アレルギーは,IgE介在性アレルギーにかかわらず,摂取後約半日経ってから発症し,その多くが全身症状に発展する遅発性アナフィラキシー(late-onset anaphylaxis)の臨床型をとる
納豆のアレルギーの人は大豆にはアレルギーがない場合がほとんどで、納豆特有のあのネバネバ成分の「ポリガンマグルタミン酸(PGA)」が原因である
納豆食べるとアレルギーを起こすのです。この反応は半日くらいたってから起きるので、知らないと診断できません。
■この納豆アレルギーだがサーファーなどマリンスポーツ経験者が多いという
サーファー、スキューバダイバー、潜水作業員など、ふだん海にいる時間が長い人が83.3%を占めた
ある病院の納豆アレルギー患者のデータです。
横浜市立大病院皮膚科の猪又直子准教授らのグループにより、納豆アレルギーの患者の多くがマリンスポーツ歴を持つことが判明
■いったいなぜ…?
クラゲの触手には、納豆のネバネバ成分と同じポリガンマグルタミン酸(PGA)が含まれている。海でクラゲに刺されたサーファーたちがクラゲアレルギーになり、交差反応性がある納豆に対してもアレルギーを起こすようになった
「納豆アレルギーの可能性があれば、まずマリンスポーツ歴を患者に確認することが診断に役立つ」
PGAは納豆やクラゲばかりではありません。お口のなかで溶かす徐放剤など、医薬品やサプリメントなどにも含まれていることがあります。食品添加物として食品や飲料そして化粧品やせっけんなどにも入っていることがあります
PGA=クラゲに含まれているネバネバ成分
■このように違う食べ物・物質なのに生じるアレルギー反応を「交差反応」という
食物アレルギーになる原因物質は全く別のものに共通して含まれていることがあります。
たとえば各種のイネ科植物の花粉においては、含まれる抗原の特徴がきわめて似ているため、1種類の花粉のみに感作されていても、同種のイネ科花粉にアレルギー反応を起こすことが知られている。こうしたことを交差反応という
特に、カバノキ科のハンノキやシラカバによる花粉症の場合は交差反応が起きる野菜や果物が複数確認されていて、約40%強の人が口腔アレルギー症候群を発症している
この交差反応アレルギーには注意が必要だ
■ペットを飼っている人は「肉アレルギー」に注意
マダニに刺されると唾液腺の成分が皮膚に入ります。この中にα-galという糖鎖が含まれており、刺され続けるとアレルギーが形成されることがあります。α-galは牛肉、豚肉、カレイの魚卵にも多く含まれます
レジャーで山林に行かれる時はマダニに刺されないよう、あまり肌を露出しないようにしましょう。また外に行かなくても屋外でペットを飼っている方は、マダニを連れてきている可能性があるので、注意
これまで野生動物に付くと思われていたマダニが、全国でペットの犬や猫にも広がっている実態が明らかになった
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