■一般的に優れたスポーツ選手は身体能力が優れていると思われている
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Sep 21, 2018; Arlington, TX, USA; Seattle Mariners special assistant Ichiro Suzuki (51) laughs before the game against the Texas Rangers at Globe Life Park in Arlington. Mandatory Credit: Kevin Jai… by 写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ
人より優れた技術やセンス、身体能力があれば、おそらくその競技におけるトップレベルにたどり着くことはできる
■しかし、それだけではなかった
脳は、肉体を動かす司令部である。一流アスリートの驚異的パフォーマンスは、脳との絶妙な連携によって可能となる
スポーツをする際には体を動かすわけですが、体を動かしているのは脳。足を上げるにしても腕を振るにしても、その命令はすべて脳から伝わってきます
右手を挙げるという運動をするためには、右腕の筋肉を動かさなければならない。でも、筋肉は脳からの命令がなければ、基本的には自力で動いて手を上げることはできない
■一流のスポーツ選手は脳の何が違うのか?
アフロ
羽生結弦/Yuzuru Hanyu (JPN),
SEPTEMBER 22, 2018 – Figure Skating : 2018 Skate Canada Autumn Classic International Men’s Free Skating at Sixteen Mile Sports Complex in Toronto, Canada.
(Photo by MATSUO.K… by 写真:松尾/アフロスポーツ
一流のアスリートは、大きなプレッシャーにさらされるとき、脳の一部分が平均より82%速く機能するという。19日、英国の研究で明らかになった。
流選手の成功にとって重要な要素の1つが、複雑な動的視覚場面の処理方法の学習能力が高い点
一流のアスリートは一般的なアスリートより、このBISの数値が高いことが知られています。BISとやや異なりますが、脳と筋肉の間で作る神経システムの統合性も一流のアスリートは高い
それぞれの領域がバラバラに働くと、脳全体がうまく機能しません。そのために、脳には「統合機能」があり、それを担う脳領域も用意されている。それがBISです。
■更に「自己報酬神経群」が活性化しやすいという特徴がある
自己報酬神経群は、考えたり記憶したりする仕組みの中を情報が駆け巡る際の重要な通路となっています。この神経群の機能は、「ご褒美を得るために、自分からやってやろう!」という「主体性」が伴われないと十分に発揮されない
自己報酬神経群は、面白い、楽しいという刺激を受けるほど活性化し、意欲や集中力を生み出します。さらに自己報酬神経群が刺激されると、交感神経の働きが活発になる
交感神経が活発になり運動パフォーマンスが向上します。
つまり、何でも面白がり、楽しむような明るい性格の人は自己報酬神経群が活性化されやすく、交感神経の働きも活発になる
好奇心旺盛で何でも面白がるという性格が一流のアスリートの共通点ということです。
脳にとってのご褒美とは、自分だけの損得勘定を意味するのではありません。「共に生きたい」「知りたい」「仲間になりたい」という本能を基盤に脳は機能しているので、仲間の役に立つ、人や社会に貢献するということが脳への大きな報酬となり、仕事へのモチベーションとなる
逆に、勝ち負けにばかりこだわったり損得勘定ばかりしていると、「共に生きたい」「仲間になりたい」という本能に逆らうので、脳本来の力を削ぐことになります。
上から指示を出さずに、自分だったらこうすると言わせるようにし、自己報酬神経群を存分に刺激してやると、自分でやることが嬉しくなり、思考力も鍛えられてくる。
■脳が「タフ」という点でも共通しているという
トレーニングバイクなどで運動をし、極度の疲労状態でも、アスリートたちは一般の人より82%も速かった
一流のアスリートたちは、疲れ切っている状態でも個々の能力が10%向上したといいます。一方で、一般の人たちは60%も低下する結果となりました。
並のアスリートは大きなプレッシャーを受けます。これはプレッシャーにかかわる脳領域が活発に活動してしまうからです。ところが一流アスリートの脳は、効率性が高いため、プレッシャーにかかわる脳領域の活動が抑えられ、統合性に優れるため他に必要な脳領域をうまく活動させることができる
緊張をうまくコントロールする能力があるということでしょうか。
■運動能力が向上しない…と悩んでいる時は「脳」に注目してみるといいかもしれません
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