■書き出しが本編!?続きは自らの想像力で補え!
編集:天久聖一
「書き出し小説」というタイトル通り、冒頭だけを集めた作品集。一行から数行という短い文章で、物語の始まりを予感させる書き出しが描かれている。
元々は「デイリーポータルZ」主催の「書き出し小説大賞」から始まった文学スタイルで、WEB公募によって寄せられた作品の中から厳選した話を集め、書籍化したのが「書き出し小説」となる。
第二弾として「挫折を経て、猫は丸くなった。: 書き出し小説名作集」が出版されている。
ちなみに「書き出し小説」の公式サイトでいくつかの作品を読むことができる。
最初の1行を読んで、その後の結末を考えて、ニヤニヤして、また次の物語の最初の1行を読んで...とても気に入ってます!
書き出しというが、もはやここまでいくと「ワンフレーズの楽しさ」を極める文章の芸術。この先を読みたくなる作品と、フレーズだけで完結している作品があり、前者の方が好みではあるけど、面白さは共通
■たった54字で紡がれるゾクリとする物語
著者:氏田雄介 イラスト:佐藤おどり
9マス×6行の原稿用紙に綴られた「#インスタ小説」を書籍化した作品。54文字の物語が、全部で90話収録されている。
「あたりまえポエム」で一躍話題をさらった著者が送る短い物語。
「意味がわかるとゾクゾクする超短編小説 ゾク編 54字の物語 怪」という続編あり。
爆笑する本でもじっくり読む本でもなく、片手間にクスリとするような本ですが、ひまつぶしにちょっと読んでみるのもいいかと思います
たったの54字で物語を物語っているのが単純にすごいなって思った。 54字でここまでゾクゾクさせられるとは…!!!
『54字の物語』重版記念!54字詰めの原稿用紙で物語をつくりましょう!
54字の物語を作成できるジェネレーターサイトです。作成した画像はSNSに投稿できます。
■ほぼ100字に収められた奇妙な世界観とストーリー!
著者:北野勇作
著者のルーティンワークとして、ツイッターに掲載されている【ほぼ百字小説】を書籍化したもの。1000を超える作品の中から厳選した130話を収録。
作者のツイッターを検索すると、本作に収録されていない「ほぼ百字小説」を読むことができる。
起承転結の特に「結」がないので想像力が働いたり、不穏な空気になったり、とにかく全体にシュール。イラストもなかなかいい
一気に読めてしまうけど、読み終わったらまた始めから読みたくなる。読めば読むほど不安感が増していくような、ちょっぴりホラーだったり、ちょっぴりSFだったりする物語群
■三百字の中にオモシロさがぎゅっと凝縮!
著者:川又千秋
「極短小説」に刺激を受けた著者が、日本語版の「極短小説」として考えたのが「三百字小説」である。
三百字きっちりのものから、三百字に満たないものまで、様々なバリエーションの物語が収録されている。
■多彩な恐怖を味わえ!一行でじわじわとくる怪談話
著者:吉田悠軌
一ページにつき、一つの物語が掲載されている怪談集。「一行怪談」と銘打たれている通り、一行、または一文で終わる物語が二百話近く載っており、そのバリエーションは様々。
怖いものから捻りのあるもの、詩のようなものからショートショート的なものまで、多種多様な怪談を味わえる作品集。
「一行怪談(ニ)」も発売されている。発売記念として「一行怪談創作コンテスト」が開かれており、「#一行怪談創作部」のハッシュタグで検索すると読むことができる。
イマイチなのと、ゾクッとするのと、意味が分からないのと、「で?」と思ってしまうのと、いろいろあるが、さくっと読めるので、楽しい
■五十五語という制限が織り成す魅惑的な物語
編集:スティーヴ・モス ジョン・M・ダニエル
和訳:浅倉久志 絵:和田誠
アメリカで開催されたSSコンテストの作品をまとめたもの。五十五の単語を使うというルールで書かれていて、和訳の都合上、日本語文においては二百字以内という制限になっている。
プロやアマチュアなど様々な作家の物語が157編収録されており、中にはスヌーピーの作者の話もある。
五十五語というあまりにも短い制限で物語が語られている。けれど極限まで研ぎ澄まされた刃のように一つ一つが鋭く、どれにも巧みな着地点が仕込まれている
表紙やタイトル、あらすじからはまったく想像の出来ない内容だけど、騙されたって全然不快じゃないオススメ小説を紹介します。装丁と内容のギャップに良い意味で裏切られま…
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