■約26年ぶりに国内での感染が確認された「豚コレラ」
アフロ
Pigs nearing market weight stand in pens at Duncan Farms in Polo, Illinois, U.S. April 9, 2018. Picture taken April 9, 2018. REUTERS/Daniel Acker (United States) by 写真:ロイター/アフロ
岐阜市内の養豚場で9日、1992年に熊本県で発生して以来26年ぶりとなる「豚コレラ」への国内感染を確認。
この養豚場では、8月中旬からぐったりして立てないなど衰弱した豚が続出し、3~10日の間だけで140頭余りの豚が死亡。
検査で感染を確認後、県は養豚場で飼育する全頭を殺処分し、農林水産省は11日に防疫作業を完了。
事態は早期収束したかと思われていた
■ここにきて新たな局面を迎えている
野生のイノシシから陽性反応
15日、豚コレラ感染が確認された養豚場から約3.5㎞北東の住民から「イノシシが庭で死んでいる」と県に通報があった。
発見されたイノシシは体長約50㎝の幼獣で、県は同日、庭を消毒したのち県中央家畜保健衛生所に死骸を搬入。
13日にも野生イノシシへの感染が確認されていた
13日にも養豚場から約7㎞北西の水路でイノシシの死骸が発見されており、国の精密検査で感染が確定。
■豚コレラとは?
アフロ
アフリカ豚コレラの感染防止 – Sanitary workers prepare dead pigs for burning at the village of Rostovanovskoye, 300 km (186 miles) from the regional centre Stavropol, January 13, 2009. Over 2,500 pigs will have to… by 写真:ロイター/アフロ
■今のところ感染経路や時期は不明
1頭目のイノシシから検出されたのは養豚場と同型のウイルスで、過去に欧州やアジアなどで流行し、国内では確認されていない。
そのため、ウイルスは海外から侵入した可能性が高いとみられているが、その感染経路や時期は不明。
■さらなる感染拡大の恐れも
アフロ
A health worker fumigates inside a building after floodwaters receded in Ayutthaya province November 26, 2011. Thailand’s worst floods in 50 years have killed 610 people and devastated industry, but … by 写真:ロイター/アフロ
養豚関係者の車両に対して24時間態勢で消毒作業を行っているほか、豚の状態の定期報告と異常発見時の緊急報告を徹底。
また県内の養豚場などに対し、イノシシの侵入を防ぐ電気柵を無料で貸し出すなど拡大防止策をとっている。
しかし、岐阜県内だけでも2万頭以上の野生イノシシが生息しているため、事態収束の見通しは立っていない。