★『綺想宮殺人事件』 芦辺拓
琵琶湖畔に佇む壮大な異形建築・綺想宮。四大精霊の呪文と天地創造の七日間を表わす音楽に導かれて起きる連続見立て殺人の真相とは。
芦辺拓「綺想宮殺人事件」読了
森江春策シリーズの18作目
シリーズ最強に読むのに苦戦した問題作
ページを埋め尽くす衒学的な情報の大洪水が受け止めきれない
途中から登場した菊園綾子検事と森江探偵の漫才みたいな掛け合いに癒されながらなんとか読み進んで怒涛の終盤戦へ
うん、これは確かに奇書だ pic.twitter.com/O34MTaB7Lp
芦辺拓『綺想宮殺人事件』読了。まさに「芦辺版・黒死館」。ページをめくる度に夥しい量の蘊蓄が溢れ出し、それに呑まれ揉まれてしているうちに話が進んでいた。ただ、それだけの大風呂敷も最後にはきちんと畳まれているので凄い。
芦辺拓『綺想宮殺人事件』読了。傑作かつ問題作。繰り広げられる胡散臭気な衒学合戦が真相そのものに深く関わってくる構成は、ミステリという形式自体の解体、もしくは問い掛けとなっておりただただ圧倒される。まさに「最後の探偵小説、あるいは探偵小説の最期」。
★『ディスコ探偵水曜日』 舞城王太郎
迷子捜し専門の米国人探偵・ディスコ・ウェンズデイ。あなたが日本を訪れたとき、〈神々の黄昏〉を告げる交響楽が鳴り響いた――。
週末を利用して『ディスコ探偵水曜日』を読んだんだけど、なるほど奇書だわ。理解させる気がないんじゃないかと思えるほどカオスな展開のジェットコースターだし、上・中・下巻合わせて1500ページという長編だったけど、最後まで一気に読ませる謎の魅力があったわ。
ディスコ探偵水曜日、読了
うん、素晴らしかったし面白かった
あんな話を書くことに耐えうる舞城王太郎は作家としてそうとう器が大きいね
超弩級のエンタメ小説だし、これはもっと評価されてしかるべきだと思う
だって人生観変えてくれる本なんてそうそうないでしょ?
★『夏と冬の奏鳴曲』 麻耶雄嵩
首なし死体が発見されたのは、雪が降り積もった夏の朝だった!20年前に死んだはずの美少女、和音の影がすべてを支配する不思議な和音島。なにもかもがミステリアスな孤島で起きた惨劇の真相とは?
麻耶雄嵩「夏と冬の奏鳴曲」読了。いろんな意味ですごいからとにかく読め!と人に勧めたいけども、10人に貸したら9人は怒る。そもそも絶版で布教しづらいという、なんとも扱いに困る奇書の類。ミステリを広い心で読める耐性が必須であるものの、個人的には良作だった。
夏と冬の奏鳴曲読了。
すごい本を読んでしまった…え、これ有りなの…?
おもしろかったけど、これ有りなの…?
ていうかおまえまさかそんな登場かよメルカトル鮎
あらすじなにも嘘書いてない、一言やばい
なんかもう意味わからない、まだよく理解できてない
おもしろかったけど、これ有りなの?
★『奇偶』 山口雅也
神の名は―。混迷の中、片目になった推理作家は、自らの墓碑銘を書き始めた。その墓碑銘は…“偶然”。
山口雅也『奇偶』読了。まさに四大奇書に連なる「第五の奇書」。衒学的でメタ構造的、三大奇書や竹本健治『匣の中の失楽』の奇書の要素を押さえ、更に「偶然」というミステリのタブーに真向から挑むオリジナリティが素晴らしい。知識の難解さも表現がうますぎてすんなりと理解できる。大好きな傑作。 pic.twitter.com/8fiQFsCn9x
『奇偶』(山口雅也)読了。まさに奇書。偶然なのか必然なのか、数珠つなぎにされた出来事たちに、どうオチをつけるのか、とわくわくしながら読むことができる。が、まあそういう展開にしかならんわなあ…。というか、世界の理とか並べ立てて行くと、殺人事件って些事に思えてしまうのよね。
★『殺戮にいたる病』 我孫子武丸
永遠の愛をつかみたいと男は願った―。東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるサイコ・キラーが出現した。犯人の名前は、蒲生稔!くり返される凌辱の果ての惨殺。
読了 『殺戮にいたる病』 我孫子武丸
東京の繁華街で次々と殺人を侵すサイコキラー蒲生稔。始まりから終わりまで鮮明に描いでいくミステリー。
かなり猟奇的表現、性的表現がきついですが抵抗のない方は是非。どんでん返しもかなり驚異的! 読後もしばらくは混乱が続いていました。 pic.twitter.com/4D5V1CcR8O