数百棟が倒壊し死者多数…インドネシアで「津波」が発生

数百棟の建物が倒壊し、国家災害対策庁によると「少なくとも168人が死亡、約750人が負傷し、多数の安否不明者もいる」という。

現地の住民は「午後7時くらいにいったん潮が引き、10分後に大きな波が押し寄せ、その後もどんどん海面が上昇した」と話している。

津波の原因は調査中としながらも、現地で大規模な地震の発生は観測されていなかった。

以上の事から、津波の原因は新月による大潮と、アナック・クラカタウ火山の噴火による海底での地滑りとみられている。

インドネシアのジャワ島とスマトラ島の中間、スンダ海峡にある火山島の総称（標高813メートル）。

約6万年前まで直径15キロほどの旧クラカタウ島が存在したが、その後の大噴火で吹き飛び、外輪山として3つの島が残っている。

200年間の活動休止を経て突如噴火し、噴煙は成層圏にまで達して、火砕流は海上を40キロも進んでスマトラ島にまで到達。

同時に発生した巨大津波は周辺の島々を飲み込み、3万6000人以上が死亡。

その後も噴煙が太陽光を遮って地球規模で異常気象を引き起こし、地質学史上で5本の指に入る巨大噴火だったと言われている。

この噴火で生じた海中カルデラの中心部で、1927年から再び噴火活動がスタート。

その翌年、「クラカタウの子供」を意味するアナック・クラカタウ島が出現した。

今年6月以降、活発な火山活動を繰り返しており、8月上旬からは溶岩の流出も確認。

ここ数日も活発な火山活動を続けており、23日には火口から約1万6千メートルまで噴煙を上げる大規模な噴火が起きている。