★『早朝始発の殺風景』 青崎有吾
始発の電車で、放課後のファミレスで、観覧車のゴンドラの中で。不器用な高校生たちの関係が、小さな謎と会話を通じて、少しずつ変わってゆく――。
青崎有吾『早朝始発の殺風景』読了
「気まずさ」をキーワードにした青春ミステリ短編集。作者らしいロジックはあまり見られないが、静謐な中で紡がれる会話劇から「whatdunit」のミステリへと姿を変える様は中々に堪能させられた。表題作と「捨て猫と兄妹喧嘩」が特に好印象だった。
青崎有吾「早朝始発の殺風景」読了。
全作品、真相解明への手掛かりが文中に丁寧に仕込まれていて、上質な作品集である。 pic.twitter.com/58LOqcPQpR
「早朝始発の殺風景」青崎有吾読了。5編収録。表題作は読んでたが、他のも、いい出来な一場面・リアルタイム進行な高校青春推理。勝手に米澤「本と鍵の季節」とのコラボありとか、エピローグのあれのデータは必ずどっかにあるはずだ!とか、妄想暴走@当社比。表題作読んだ時は、こんな1冊になるとは!
★『1R1分34秒』 町屋良平
デビュー戦を初回KOで飾ってから三敗一分。当たったかもしれないパンチ、これをしておけば勝てたかもしれない練習。考えすぎてばかりいるぼくは自分の弱さに、その人生に厭きていた。
町屋良平の「1R1分34秒」
受賞作でも指折り。本屋で少しだけ少しだけと思いながら読んでたら、あっという間に読み終わってしまった。それこそパンチドランカーになったような、重く響くボディブローをもらったような、読後感。
読み終わってから、そのままレジに駆け込み購入して帰りました。
#読了 pic.twitter.com/H9EqNnaoA7
芥川受賞作、町屋良平『1R1分34秒』読了。栄光に包まれるボクサーは、ごく一部。その踏み台となるボクサーの思いが描かれている。なぜ、そうまでしてと普通の人は思うが、それが生きてる証というものなんだろうな。 pic.twitter.com/6LSBAIrbij
#新潮 掲載の #町屋良平『1R1分34秒』
この、不安定なのに芯がある、可愛いのに冷淡、好きなのに無理、みたいな無いようである紙一重を、いつだって愛嬌のあるテンポの良さで、またかよ、狡いな、面白いー、なんか悔しいけどすごい好き、って目まぐるしい気持ちで一気に読ませるんだな!
#泡沫読書 pic.twitter.com/YbSW7LYjo3
仮想通貨をネット空間で「採掘」する僕・中本哲史。中絶と離婚のトラウマを抱えた外資系証券会社勤務の恋人・田久保紀子。小説家への夢に挫折した同僚・ニムロッドこと荷室仁。
ニムロッド 、読了。
ピープルを小さめの音量で聴きながら、何日かかけて少しずつ読んだ。最後のシーンを読みながら「季節の子供」を聴いていたからか、なんとも言葉にし難い、しんみりとした読後感。
itunes.apple.com/jp/book/%E3%83…
20年前ほど前の連続殺人事件<ハッピーデー・キラー>以来、事件も事故もめったにないのどかな町――だったはずの辛夷ヶ丘で、悪徳(?)警察官の砂井三琴は今日も大忙し。
本を読んでいる時が一番幸せ。って誰も知らないんだろうなぁ。
『殺人鬼がもう一人』(若竹七海/光文社 )をひとりクスクス笑いながら読む。ふと辺りを見回しニヤリと笑う。私の中の小悪魔が顔を出す。若竹さんの作品は私の事をよく知っているのだ。