■自称・普通の高校生が主役の青春学園ミステリ
作者:日向まさみち
小中高一貫のマンモス学校、木ノ花学園で、音楽室に死んだはずの女が現れたという噂が流れた。事件の真相を確かめるべく、巨乳美女の理事長、木ノ花あざみは「本格推理委員会」を設立した。
学園一の知識量を誇る委員長の桜森鈴音、警視総監の祖父を持つ空手家娘の楠木菜摘、絶対当たる勘を持つ木下椎、委員会の使い走りで犯罪者面の城崎修。個性豊かな四人が事件の解決に挑む。
第1回ボイルドエッグス新人賞受賞作。ライトノベル的ミステリ。
これぞ青春ミステリだ!! ライトな文体の中に想い十字架を背負った主人公や、他の登場人物の「救い」があって面白かった。 キャラクターがとてつもなく面白い
■日常の謎に挑む探偵たちの青春ミステリ
作者:乾くるみ
京都府宇治市の名門高校・北乃杜高校には探偵がいた。サッカー部の清水克文はクラスメイトの稲川みどりや赤倉史朗、山科桃子と共に探偵部を結成。「せうえうか」の歌に隠された秘密や嫌がらせ写真、修学旅行の殺人予告など、校内の様々な事件に挑む。
4つの短編を収録した青春連作ミステリー。
乾氏の作品としては珍しいくらい癖のない読後の爽やかな青春学園ミステリーに仕上がっている
歴史ある名門校を舞台に選定しているためか、事件そのものは手堅く地味である。しかし論理的に謎を解き明かす様子などは本格愛がよく分かるもになっていた
■怪談騒ぎに隠された真実とは?
作者:似鳥鶏
芸術棟にフルートを吹く幽霊が現れるらしい。そんな噂が流れ、吹奏楽部の練習に部員がやってこなくなった。吹奏楽部の部長、高島は幽霊の噂を否定するため、部員の秋野麻衣と語り手で主人公の葉山を連れて、夜に芸術練へと向かう。すると本当に幽霊が現れてしまい……。
一同は文芸部の伊神と演劇部部長の柳瀬を巻き込み、にわか高校生探偵団を結成。真相の究明に挑む!
第16回鮎川哲也賞佳作入選作品でデビュー作。シリーズ化されている。
トリックはあまりハッとさせられる感じではないけど、高校生の雰囲気とか怪談というツールの使い方が丁寧でうまく物語を構成している印象
コミカルな登場人物に独特な注釈とデビュー作としては良作。トリックも上出来。エピローグが一番衝撃的
■変人揃いの探偵部が活躍するユーモアミステリ
作者:東川篤哉
生徒や教員含めて変人揃いの私立鯉ケ窪学園に転校した赤坂通。彼は文芸部に入部するつもりだったが、ひょんなことから探偵部に入ることになる。
赤坂は部長の多摩川や部員の八つ橋らと共に探偵部として活動を行っていた。そんな中、芸能クラスのアイドルを盗撮しようとしたカメラマンが密室で殺される事件が起きる。
探偵部と顧問の生物教師が殺人事件に挑む!
「鯉ヶ窪学園探偵部シリーズ」の第一作目。
■小学生探偵が難事件をズバッと解決!
作者:はやみねかおる
小学6年生の佐々井彩矢はよく3年生と間違われていた。彼は自分を普通だと思っているけど、周りは変わっていると言う。それは彼が神経質だから。些細なことがどうにも気になる佐々井が、大雑把に物事を見る大山昇としっかり者で常識人の真中杏奈と共に様々な謎に挑む。
児童向けのジュブナイルミステリで、シリーズ化されている。
神の目を持つ名探偵が目立ちたがりのただのハリボテ探偵なのかと思いきや、見ているところはしっかり見ていて、二人の名探偵という感じ。ライバルではなく補い合って真相に辿り着くところがいいな
学校ものを書かせたら、キャラクターの洞察力と魅力で右に出るものはいない
■ヤバい子供とヤバい大人の青春クライムミステリー
作者:汀こるもの
醍葉学園・推理小説研究部の顧問教師になった由利千早、通称ゆりっぺ。彼女はしってしまう。彼ら推理小説研究部が悪人を退治するべく「裏の活動」をおこなっていることを。部員の杉野更紗の姉を殺した犯人を捕まえるべく、完全犯罪のテクを駆使する。危険な思想を持った面々の暴走をゆりっぺは止められるのか?
「動機未ダ不明」や「少女残酷論」といった続編がある。
イラストにつられ、ラノベ系のライトなミステリー風小説だと思うと失敗します。が、しっかりしたミステリーを読もうと思うなら、若手の中ではかなりプッシュできますね
重い内容をかるーくさらーりと流して腹にずどんとくるようなお話。こういう偽善ぶらないキャラクタって貴重だと思うんだよね
■個性豊かな三姉妹探偵が活躍する軽いタッチのユーモアミステリー
作者:赤川次郎
性格の異なる美人三姉妹。父親は出張中。ある日、三島の家が火事に!三人は何とか逃げ出したものの、なぜか焼け跡から全裸の女性の遺体が見つかる。容疑者は父親?!無実を証明するべく、三姉妹が立ち上がる!
20作以上も出ている長編シリーズ。ドラマや映画化もされている。
赤川さんの作品は大変な事件に巻き込まれたり、悲しい境遇の主人公であっても、それをはねのけるぐらい主人公が強くて前向きだから読んでいてスッキリ
予定調和に終わるとわかっていても、きちんと読者をハラハラさせてくれるのだからさすがです。ラストでは重要問題のひとつをあえて未解決にしておいて、次作への興味をつないでいます
ライトノベルという概念が無かった時代にこれを書いたというのは、赤川次郎先生に先見性があったのか、時代が追い付いたのか
■言葉遊びに個性的過ぎるキャラ!西尾節炸裂!
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