◆一話完結型が「視聴率」上位独占した春ドラマ
一話完結モノと言えば、刑事・医療ドラマの定番スタイル。今春も『特捜9』、『警視庁・捜査一課長』『未解決の女 警視庁文書捜査官』(全てテレビ朝日系)、『ブラックペアン』(TBS系)が放送。
トップを走るのは水曜21時「特捜9」。平均視聴率は約14%。これに続くのが3本で、平均13%前後で競り合っている。
テレ朝系が内藤剛志主演で木曜20時「警視庁・捜査一課長seson3」と、波瑠&鈴木京香ダブル主演の木曜21時「未解決の女」(7日終了)の2本。そしてテレ朝のベスト3独占阻止を狙うのは二宮和也主演、TBS系の「ブラックペアン」(日曜21時)。
◆一方、「満足度」という指標では上位が一変
1位 平均満足度3.91 「ブラックペアン」
2位 平均満足度3.78 「コンフィデンスマンJP」
2位 平均満足度3.78 「シグナル」
4位 平均満足度3.73 「モンテ・クリスト伯」
5位 平均満足度3.71 「特捜9」
テレビウォッチャーが5月21日に集計した満足度調査(毎日2400人から回収)
今回のランキングで特筆すべきは、フジテレビのドラマ3作品が2位から4位にランクインしたということである。
「コンフィデンスマンJP」と「モンテ・クリスト伯」は、初回満足度はそれぞれ満足度3.42、3.44と低満足度にてスタートを切ったにもかかわらず、そこから見事な盛り返しをみせた。
◆視聴率は一桁ながら、高い「満足度」だったフジテレビ作品
▼『コンフィデンスマンJP』(月曜夜9時、フジテレビ)
女優の長澤まさみが主演するフジテレビ系連続ドラマ『コンフィデンスマンJP』(後9:00~10:09※15分拡大)最終話が11日に放送され、平均視聴率が9.2%だったことが12日、わかった。
全10話の平均視聴率は8.9%
本作は欲望や金をテーマに、一見平凡で善良そうな姿をしたダー子、ボクちゃん、リチャードという3人の信用詐欺師たちが、毎回様々な華やかな世界を舞台に、欲望にまみれた人間たちから壮大で奇想天外な計画で大金を騙し取る、痛快エンターテインメントコメディ。
・「月9」枠に“純コメディ”という新たな風を送り込んだ
「リーガル・ハイ」の脚本をつとめた古沢良太作品であり、「リーガル・ハイ」でもお馴染みであった“口撃”の数々と長澤まさみの振り切った演技が好評を得ており、満足度が上昇したドラマである。
エンディングの予想外の結末や、逆転劇というのは古沢ならではの作り上げ方だ。『コンフィデンスマンJP』もその持ち味が十分に発揮されている。
今回の『コンフィデンスマンJP』もこの枠に新しい風を吹き込んだ。主要キャストに恋愛要素がほとんど絡まない、いわば“純コメディ”をこの枠に取り入れたのは斬新な試みと言えるだろう。
▼『シグナル 長期未解決事件捜査班』(火曜夜9時、フジテレビ)
12日に放送された俳優・坂口健太郎(26)のテレビドラマ初主演作、フジテレビ系「シグナル 長期未解決事件捜査班」(火曜・後9時)の最終回の平均視聴率が9.2%だったことが13日、分かりました。
原作は、数々の賞を受賞したキム・ウニ氏の同名作品。無線機を通じてつながる”現在”と”過去”の刑事が長期未解決事件に挑む、ヒューマンサスペンスです。
・オリジナル作をリスペクトした今期刑事ドラマの最高傑作だった
時間を超えるという要素以外にも人間ドラマや警察上層部の不正などが絡み合い、濃密な内容となっており、巨悪と戦う坂口健太郎の姿が好評となり、初回から高い満足度を記録。
脚本家の尾崎将也のストーリーは過去と現在の場面をテンポよく展開しながら、未解決事件にひそむ人間の業(ごう)と情念が観る者の心を揺さぶる。今期の刑事ドラマの最高傑作である。
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