■増加の一途をたどる職場でのハラスメント被害
都道府県労働局等に設置した総合労働相談コーナーに寄せられる「いじめ・嫌がらせ」に関する相談は年々増加
「平成28年度個別労働紛争解決制度の施行状況」によると、2016年度の民事上の個別労働紛争相談のうち、「いじめ・嫌がらせ」に関する相談は7万917件
具体例としては、先輩社員から毎日「のろい」「気が利かない」「やめたら」などの侮辱的な発言を受け、上司に訴えたが対応してくれなかったケースなどがあった
■ハラスメントが原因で裁判まで発展するケースも増えている
社内での解決が難しい場合や大きな損害を受けた場合、訴訟(裁判)に発展することがあります
近年では、職場のパワーハラスメントに関する訴訟の増加もうかがわれ、判決でも「パワーハラスメント」(パワハラ)という言葉が使用されるようになっています
職場内におけるちょっとした発言や行動が問題視され、部課長が意図しない形で問題が大きくなって、最悪の場合は訴訟にまで至ることがあります
■こうした背景から、近年「ハラスメント保険」が注目を集めている
こうした世間の動向に対応するように、大手損害保険会社からは「ハラスメント保険」という商品が販売されています
これは、社内でパワハラやセクハラが原因の訴訟が発生した場合、訴訟費用や賠償金を肩代わりするものです
17年度は大手3グループの販売件数が前の年度比で6割も増えた
■ハラスメントで訴えられると企業には様々なデメリットが発生する
働く人の権利意識の高まりで、訴訟リスクへの認識が中小企業にも浸透し始めていることが背景にある
ひとたび訴えが起こると、損害賠償金、弁護士の費用、情報の収集など、日々訴訟の対応に追われることになります
実際に訴えが起こってしまうと企業は弱い立場になり、損害賠償金や訴訟に関わる費用の出費など、経済的な負担を強いられるリスクがあります
ほかの従業員にとっても職場環境が害されたことになり、ハラスメントの直接の被害者以外の労働者に対する損害賠償責任が発生することもあります
■近い将来、企業にとって「ハラスメント保険」は無くてはならないものになるかもしれません
足元で強まる人手不足を原因とする雇用トラブルも、事業者の懸念を強め、保険購入を促している
多くの企業では「ハラスメント防止策」は整備してあっても、ハラスメント事故が起こった場合の社内のノウハウの蓄積や、対応策の準備までできていることは少ない
ハラスメントの問題は、今後も増加していくことが予想されるため、企業の管理者にとっても、ハラスメントへの対応策の構築が、早急に求められている
ほんの小さな出来事でさえ会社のリスクになり得る今日において、保険に加入をしておくことは、あなたの会社を守るために必要なことだと考えられます
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