・改めて考えたいウルグアイ勝利
埼玉スタジアムで行われたサッカーの親善試合で、日本がFIFAランク5位のウルグアイに勝利した
ロシア・ワールドカップ以後の新世代の底上げとロシア組との「融合」が課題とされてきたが、このウルグアイ戦では融合がもたらす化学反応さえ起こった。
・試合内容を簡単に振り返ってみる
スコアは4-3。南米の強豪ウルグアイに対し、22年ぶりの大金星を挙げたことになる。首尾に目を向ければ、大小問わずミスがあり、3失点を喫した。だがこの試合で議論すべきは、やはり攻撃だろう。
日本は開始10分に中島翔哉からのパスを受けた南野拓実が切り返しからゴールを決めて先制。その後、セットプレーのこぼれ球を押し込まれて同点に追い付かれるも、36分に中島のシュートをキーパーがはじいたところを大迫勇也が決めて勝ち越す。
後半、不用意なバックパスをウルグアイのカバーニに拾われて同点とされるも、59分に20歳の堂安律が酒井宏樹とのコンビネーションから左隅に流し込んで勝ち越し。
さらにその7分後には堂安のミドルシュートのこぼれ球を南野が押し込んで4-2とリードを広げた。その後、1点を失ったものの、強豪ウルグアイ相手に勝利を収めた。
・何が変わったのか
4日前のパナマ戦(3-0)から先発メンバーを一気に9人変更。
MF柴崎岳(ヘタフェ)、DF吉田麻也(サウサンプトン)らロシア・ワールドカップ(W杯)主力メンバーで今遠征初招集の5人をスタメン起用し、新世代との「融合」を推し進めた。
ロシア・ワールドカップ(W杯)で16強に入ったチームの主力となったメンバーに南野拓実選手、堂安律選手、中島翔哉選手ら若手がうまく融合し、新たなチーム作りは順調の滑り出しとなったといえる。
ウルグアイ戦で強烈なインパクトを放った一人が中島だ。長友が「ドリブルお化け」と絶賛した攻撃性能は世界水準で、日本のなかでは頭一つ抜けている。
・まず褒めなければならない「得点力」
原動力となっているのが、「新ビッグ3」などと呼ばれ始めている中島翔哉、南野拓実、堂安律をはじめとする攻撃陣のニュージェネレーション
その特長は三者三様だが、臆せず、迷わず、加えてひたむきなメンタリティは横並びの共通項
特に2得点を記録したMF南野拓実(ザルツブルク)の活躍は圧巻だった。
・そして攻守の切り替え、連動から生まれたスピード感
前線の選手が4得点を奪ったが、それ以上の収穫は攻守の切り替えだろう。堂安のゴール、そして、南野の2点目に繋がったMF柴崎岳(ヘタフェ)のプレーは特筆すべきとも言える。
日本は相手の攻撃を待ち受けるのではなく、2トップが先陣を切って相手のセンターバックに対してスプリントしてプレッシャーをかけ、それにボランチやセンターバックも連動
大迫は「前へ縦に行く選手が多いので、僕のところでしっかりと落ち着かせないと苦しくなる。今は勢いよくガンガン行ってもらうことが一番だと思うので、それを続けながらうまくコントロールできるようにしたいですね」と年長者らしい冷静さで、2列目アタッカートリオを操縦した。