●6月に発生した「東名高速夫婦死亡事故」
神奈川県大井町の東名高速道路で昨年6月、あおり運転を受けて停車させられた夫婦が死亡した事故
夫婦は、パーキングエリアで注意した石橋和歩被告の車から執拗なあおり運転を受けました。
●この事故で、危険運転致死傷などの罪に問われた被告の論告求刑公判
自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)などの罪に問われた無職の男(26)の裁判員裁判の論告求刑公判
・検察側は、懲役23年を求刑
検察は「何度も割り込むなど執ようで危険な運転だ。常習性が顕著で、法令を順守するつもりが全くない」などと指摘
●死亡事故に至った経緯
起訴状などによると、被告は昨年6月5日夜、現場から約1キロ手前の中井パーキングエリア(PA)で車の止め方を注意されて激高。
一家のワゴン車に幅寄せや割り込みなどを繰り返し、進路をふさいで路上に停車させ
後続車の追突を招いて夫婦を死亡させたとして、危険運転致死傷などの罪に問われています。
・弁護側は、車が止まってからの事故で「あおり運転」との因果関係はないと主張
危険運転致死傷罪の適用が最大の争点で、弁護側は車が止まってからの事故で「あおり運転」との因果関係はないと主張
事実関係は認めているが、危険運転の罪は適用できないとして無罪を主張し、監禁致死傷罪も成立を争っている。
・検察側は「重大な事故の危険性が想定された」などと主張
アフロ
A Tokyo District Court signboard on display outside its building on April 13, 2017, Tokyo, Japan. Japanese artist Megumi Igarashi also known as Rokudenashiko was declared partly innocent by the Tokyo… by 写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ
10日の論告で検察側は、「石橋被告が追い越し車線で萩山さんの車を停車させ、ほかの車から追突される重大な事故の危険性が想定され、
萩山さん一家が死傷する結果が生じた」などと指摘し、危険運転致死傷罪が成立することをあらためて主張
・「常習性が顕著で、法令を順守するつもりが全くない」などと指摘
「何度も割り込みを繰り返すなど執ようで危険な運転だ。常習性が顕著で、法令を順守するつもりが全くない。安全で安心な車社会を実現するためには決して許されない」などと指摘
そのうえで「危険運転致死罪に問われた過去の事件に照らすと、その中で重い刑が言い渡された事件に相当する」として懲役23年を求刑
危険運転致死傷罪の最高刑は20年だが、検察側は、ほかの罪も併合して、厳しい刑を求めた形。