◎『夕凪の街 桜の国』 こうの史代
昭和30年、灼熱の閃光が放たれた時から10年。ヒロシマを舞台に、一人の女性の小さな魂が大きく揺れる。最もか弱き者たちにとって、戦争とは何だったのか……、原爆とは何だったのか……。
この世界の片隅に、と同じ人が描いたこうの史代の「夕凪の街、桜の国」って漫画があってさ、ヒロシマの話で途中かなり嫌な話もされて、読了感すっきり、ってわけではないんだけど、私はあの漫画大好きなのよ
届いていたので「夕凪の街 桜の国(著:こうの史代)」読了。原爆が何を生んだかを日常と照らし合わせて体験する、経験をくれるタイプの作品。残る感情は、切なさや儚さ、そして日常の美しさ。心が洗われる感覚です。3つの話を無駄なく1つの物語で完結させるこうの史代先生の手腕もお見事。
◎『珈琲時間』 豊田徹也
チェロ弾きの女性が出会った、怪しいイタリア人(?)。映画監督を名のり、コー ヒーをたかる彼の振る舞いはいかにもうさんくさいが……?
豊田徹也「珈琲時間」読了。「コーヒー、飲もうか」という言葉には「色々あるけどさ、ちょっとの間、そんなこんなを脇に置いてみようよ」という優しさが感じられる。飲んだら問題解決!とは勿論ならないけど、心がざわつく出来事の合間に珈琲のアロマがあるだけで、自分を見失わずにいられる。#感想部
恋愛だけでなく他の感情も
もしくは一見関連なさそうなモチーフを使うとか
一つのモチーフで恋愛、憎悪等々の感情(だけでなくてもいいんだけど)を表わす、というのも楽しそうだ!
豊田徹也さんの珈琲時間はすべてにコーヒーが出てくるヒューマンドラマ短編ですごくよかった。
珈琲時間読了。コーヒーを飲む人達を描いた、アフタヌーン系らしいちょっと変わった日常系漫画だった。キリンとパンダカフェ、あと映画監督が気に入った
◎『さよならガールフレンド』 高野雀
「わたしが男子だったら先輩とは絶対にやりません」セックスばかりしたがるうざったい彼氏。噂話しかゴラクのないクラスメイト。この町の人間が嫌いな母。ここは、どんづまりの小さな町。
高野雀「さよならガールフレンド」表情や相手への言葉、コマ割りとかベタの入れ方とか終始塩対応でマットな感じが無理なくストンと入ってきて読みやすかった。決して明るくないけど絶望しない、潜んでる感情が心地よかった 好きな音楽が近そう
◎『神様がうそをつく。』 尾崎かおり
七尾なつるは東京から転校してきた小学6年生。クラスの女子に無視され、サッカーチームの新任コーチともソリが合わない。そんな時、大人びたクラスメイトの、誰にも言えない秘密を知ることに…。
同僚に借りた「神様がうそをつく」を読了しました。めっちゃ良い。ズキンズキンえぐられる。当然映画の「誰も知らない」を想起させるモチーフですが、それだけで終わらない何重にも練られた構成とめっちゃ好みの絵。僕だけがいない街にも通ずる傷だらけのボーイミーツガール譚
尾崎かおり『神様がうそをつく。』読了、泣いた。読みやすいし、話も絵もイロイロも、どこもかしこも綺麗にまとまってる印象。夏、こども、逃避行の三拍子は王道路線なのかな。あと、読んでて白河三兎『私を知らないで』を思い出して、理生の祖父の年金はどうしてたんだろとか思ったり。
そして尾崎かおりさんの 神様がうそをつく も読了。 みずみずしい。 切ない。 悲しい。 小学生の夏休みを描いた作品でこんな泣きそうになるとは思わなかった! 必死でこらえたわー(笑) 子供の「精一杯」が突き刺さってくる。 読めて良かった。
◎『回游の森』 灰原薬
少女愛を秘めた男、愛した男に復讐をたくらむ女、蛇しか愛せない青年、親友に恋した少女……「秘密」を隠し持った人間は、極上の“疚しさ”を紡ぎ出す。
灰原薬さんの漫画「回游の森」読了。全7話がリレー形式で繋がる短編オムニバス。帯と表紙に一目惚れして気づいたら買ってました。面白かったです。「狂気と偏愛」がテーマなのですが、思ったよりドロドロしてなくて読みやすかったです。テイストが河内遙さんの作品にかなり近いです。
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