▼SFやホラー、ミステリーなど漫画の神が書いた贅沢な短編集
作者:手塚治虫
マンガの神様・手塚治虫氏が1943年から86年まで執筆した18編の小説を収録。
収録作『踊り出す首』『日本一のおばけ屋敷』『ガリバー旅行記』『ナスカは宇宙人基地ではない』他
漫画代表作『鉄腕アトム』『ブラック・ジャック』『火の鳥』『リボンの騎士』他
ホラーかと思いきや論理的に説明がついてしまう短編や、美形の探偵が出て来る(しかし探偵は添え物でヒーローは主人公の少年)ジュブナイル小説、まさかの展開ににやりとするショートショート等々、盛りだくさんの一冊
どの作品もSF要素満載なのですが、とても未来的であり、ある意味現実的であり、宇宙的な話しもあり、怖かったりオチが素晴らしかったり斬新で面白く読めました
▼著者の原点ともいえるSF短編集
表題作『音楽の在りて』では、音楽の原初の喜びのようなものが伝わってきて鳥肌がたった。『美し神の伝え』は狭い世界を描いた中編ながら、スケールの大きさを感じさせる
わたしがこころ惹かれる『美しの神の伝え』はとても哲学的。神への挑戦というよりも、自分自身がどこから来たのかを知りたいという欲求が根底にあるのだと思う
▼笑いあり涙ありの脱力系小説
作者:石原まこちん
バイト天国・深夜のレンタルビデオ店「ソウルトレイン」のバックルームで童貞フリーター須藤と先輩の野木はぐだぐだトークに興じていた。
そんな店のバックルームにキュートな女の子が現れた。
漫画代表作『THE3名様』『一杯いきますか!!』他
作者自身の生活がべースになっているので、親と同居中の、午後3時に起床する毎日を送る深夜バイトのディテールが細かい。やることないので、TVだけはちゃんと見てるというようなダメ描写が物語になまなましい血肉を与えている
小説も淡くて切なくていいですね。漫画も脱力系だけど、なんだか共感するところも多くて。『あのときの僕らには深夜の魔法がかかっていたのではないかと。グダグダだけど、なぜかキラキラしていたような気がする時間。』を思い起こせます
たしかに自分にもこんな頃があったなぁと、主人公たちのダメっぷりとかわいさにホント共感できました。やっぱり、この作者は、人と人の距離感に対してすっげーいいセンスを持ってるなぁと感心
▼湘南を舞台とした泣ける恋愛小説
作者:折原みと
28歳の養護教師・奈帆は高校時代に彼を事故死で亡くしていた。喪失感から抜けだせない奈帆の前に、「あの時代の彼」が現れた。
漫画代表作『るり色プリンセス 』『神様の言うとおり!』他
この本を読んで、ちょっと憧れていた高校生の、まだ不完全でピュアな恋と、少しオトナな恋を知りました。人を愛するって素敵だなと知りました
斬新なようなベタなような設定だけど、この短さで甘酸っぱいエピソードいっぱいで、読みやすい本だった
回想のあたりはきゅんきゅんしました。誰でも「あのときこうしていればよかった」って思うところがあるんだなぁって思いました
▼高校生が中年サラリーマンと戦うSFアクション
作者:西森博之
妹属性のアニオタである高校生・杵屋孝志は、ある日、ふと下校途中に立ち寄った神社で超絶美少女の巫女・霞と出会った。霞は自分は神に選ばれたのだと言った。
孝志は訝しんだが、霞が気になり、相手の思惑に巻き込まれていく。
一方で、ふがいない生活を送る中年サラリーマンにも、同じような出来事が起こっていた。
漫画代表作『今日から俺は!!』『天使な小生意気』
非常にテンポが良く、キャラも皆個性的、そして後半はアクションに次ぐアクションの連続。エンターテイメント小説として、とても楽しんで読めました
小説になっても変わらないセンス溢れる言葉のチョイスとギャグとストーリーテリングが素敵すぎる
ところどころ挟まれるギャグも面白いしストーリー自体も面白かった
▼小学生の女の子が霊魔女に変身して悪霊退治
作者:葉賀ユイ(ハガユイ名義) イラスト:namo
友達が霊に取り憑かれ、ミカルは大ピンチになる。
そんなミカルのもとに、カボチャ頭の霊ジャック・オー・ランタンが現れた。お菓子をあげて契約したら「霊魔女」に変身できるようになった。
漫画代表作『ロッテのおもちゃ!』
オーソドックスなタイプのお話だったりですが 基本は抑えながらも 所々お話が上手いって感じるところや笑いどころもあって 面白い作品になっていると思います
もっと煮詰めれば煮詰めるだけ面白くなりそうだけど児童向けだしこんなもんだよねーなんて思いながら、それでも結構楽しめました
ハロウィンではお馴染みのお菓子を絡めたお話と設定も楽しく、思わぬ伏線も用意されており、最後まで飽きずに読むことができました
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