大統領の支持率50％割れ…『韓国経済』に何が起こっているのか

韓国ギャラップによる調査で文在寅（ムン・ジェイン）大統領の支持率が就任後はじめて50パーセントを割り込んだ。

「評価しない」と答えたのは前週比４ポイント増の４２％となった。

文大統領の支持率は1回目の南北首脳会談直後の5月第1週の調査では83パーセントにまで上昇し、今年の最高を記録したが、それから4カ月で49パーセントへと34ポイントも下落した。

韓国大統領府の金宜謙（キム・ウィギョム）報道官は「現状を重く受け止めている。国民の声にもっと耳を傾けていきたい」とコメントした。

文大統領の職務遂行を否定的に評価した理由は経済問題が最も大きかった。

否定的評価をした人のうち、４１％は「経済・民生問題の解決不足」を挙げ、雇用状況が悪化する中、経済政策への不満が強まっていることを浮き彫りにした。

ギャラップは「最低賃金、雇用、所得主導成長、不動産市場の不安など、経済の悪化が最も大きな原因だ」と指摘する。

今回の調査で政党への支持率は共に民主党（４１％）、自由韓国党・正義党（１２％）、正しい未来党（９％）、民主平和党（１％）となった。支持政党がないと明らかにした無党派層は２５％だ。

成長につながる生産・消費・投資の３大軸がすべて沈んでいる。

韓国の新聞やテレビは、8月後半以降、連日のように「経済ニュース」を大きく報じている。

４－６月期の設備投資は前期比で５．７％減少した。２年３カ月ぶりの最低水準だ。

企業の内部留保が多い中で設備投資が減るというのは、収益性が確実でなかったり投資するところがないと判断しているから

韓国銀行が今月の基準金利を年1.5％で凍結した。9カ月連続の凍結

資金流出を防ぐには金利を引き上げなければならないが、景気が後退するのではと恐れて踏み出せずにいる。

米国との金利格差が開き、外国人投資家の資金が流出の兆しを見せているのと同時に、景気後退が始まって就職難が深刻化する恐れがある。

8月17日には、過去最悪といわれる「7月の雇用動向」が発表になった。

先月の就業者数は一年前より5千人の増加に終わった。

これは、世界金融危機の影響圏にあった2010年1月に1万人の減少を記録して以来、8年6カ月ぶりに最も低調な水準

韓国メディアは「2018年1月に最低賃金を16.4％も一気に引き上げたことが大きな要因だ」と指摘していた。

少子高齢化が非経済活動人口を大幅に増やしている点も赤信号に挙げられる。先月の15歳以上人口は24万1千人増加したが、経済活動人口は8万6千人の増加にとどまった。