●近年、深刻な問題となっている「女性ホームレス」
女性ホームレスはめったに見かけないという人が多いかもしれない。しかし、女性ホームレスは確実に存在する。
「単身女性の3人に1人が貧困」。昨年末に発表されたこの数字はこの国の人々に大きな衝撃を与え、「貧困女子」なる言葉も生み出した。
「女性の路上生活には危険が伴う」と指摘するのは『生きさせろ!難民化する若者たち』(ちくま文庫)などの著書がある作家
近年、メディアではしばしば女性の貧困がとりあげられるようになっています。
●「女性ホームレス」が近年増加している?
・厚労省の調査では、ホームレス数5534人のうち、3.5%が女性だった
厚生労働省の調査では、全国のホームレス数5,534人のうち、3.5%の196人が女性であったと報告されています。
(ホームレスの実態に関する全国調査・平成29年1月)
都道府県別では、東京が最多の1397人。前年の調査では最多だった大阪は1303人だった。
起居の場所別では、河川が1720人(31.1%)、公園が1273人(23.0%)、道路が996人(18.0%)、その他施設が1315人(23.8%)などとなっている。
年々減少傾向にあるものの、2017年1月時点で約5500人(うち女性は約200人)もいる。
●「女性ホームレス」は、常に危険と隣り合わせだという
・主な女性ホームレスの事例
酔客が帰途につく午後11時ごろ、駅前のベンチに座っていたのがマリア・ブラウンさん(69・仮名)だった。
東京駅の反対側の八重洲口へ足を延ばす。駅前に巨大なバスターミナルがあり、その近辺で時間を費やすホームレスがいる。
駅の係の人に起こされたりするので、横にならずにイスに座ったまま寝ているの。それでも女性ひとりなので、ここはやはり物騒で怖い
・親切なフリをして近寄ってくることも?
都内の女性専用施設(無料低額宿泊所)に暮らすHさん(女性74歳)は、今まで生きてきて一番つらかったことは?という質問に、
「上野公園でのホームレス生活が一番つらかった」と答えました。
ホームレスの中には悪い人もいて、親切なフリをして近寄ってくるなど常に危険と隣り合わせの毎日でした。
・なかには、同じ路上生活者の男性と生活することも‥
なかには同じ路上生活者の男性とつきあって一緒に生活をするという女性もいます。
女性の場合、路上生活はさまざまな危険にさらされることから、本人が必死に「気づかれない」ようにしていることも多い。
●ネットでは、このニュースに様々な声が上がっている
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