■オーストラリアでナメクジを食べた男性が死亡、原因は寄生虫
オーストラリアのシドニーで、仲間たちと飲んでいる最中にふざけてナメクジを食べた男性が、寄生虫に感染して1年以上も昏睡(こんすい)状態に陥り、全身がまひして死亡した
男性は19歳だった2010年、屋外で友人らとワインなどを飲んでいる最中、現れたナメクジを見て「食べてみるか」という話になり、飲み込んだという
数日後、男性は脚に激しい痛みを訴え、病院でナメクジの寄生虫「広東住血線虫」が原因と診断された
■ナメクジには「広東住血線虫」が寄生している場合があります
ナメクジには、広東住血線虫という線虫が寄生していることがある
主にネズミやカタツムリを宿主にしており、ナメクジも例外ではない
カタツムリやナメクジが中間宿主のため、調理不十分のカタツムリや野菜に混入したナメクジを誤って食べ、その幼虫を摂取することで感染します
■もし、人間がこの寄生虫に侵されてしまうと…
頭痛や吐き気、嘔吐、倦怠感や全身の痛みなど風邪に似た症状が起こり、その後、首が動かしにくくなったり、光が眩しく感じるようになる
重篤な症状を除けば、2~4週間症状が続いた後に、自然に治癒して予後はよい傾向があります
■場合によっては死に至るケースも
一部のケースでは、脳の損傷や死につながるような重篤な合併症を引き起こすことがある
脊髄の中や脳の中にまで入り込み、その脳を荒らされてしまうと、重い障害が残ったり、最悪の場合死に至るようなこともあります
■感染した場合の治療方法は確立されていない
広東住血線虫症の症状は個々によって大きく異なり、確立した治療法はなく、診断も難しいことで知られています
特効的な治療法はなく、治療の主体は対症療法である
■この寄生虫の感染例は日本でも多数、報告されています
日本でも主に沖縄の島を中心に全国から少なくとも54例(2003年8月時点)があり、日本全国の港湾などのネズミやカタツムリ、ナメクジなどからこの寄生虫が検出されたことが報告されています
■生野菜にはナメクジが意図せず混入している可能性があります
低農薬の生野菜にはナメクジなどが入っていることもあります
海外ではスムージーを作る際にナメクジに気付かずに野菜ごとミキサーに入れてしまい、感染してしまうケースも
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