業績不振が続くしまむら
業績低迷に苦しんでいるのは、売上高の8割弱を稼ぎ出す「ファッションセンターしまむら」で苦戦が続いているためだ。
今秋のトレンドとして打ち出した、ニットのワンピースやチェック柄のシャツ、レギンスなど、秋・初冬物でヒット商品は出たものの、全国的に昨年に比べて気温が高い日が多く、防寒肌着や寝具など冬物商品の販売が計画通りに伸長しなかった。
売上高4099億3600万円(前年同期比4.0%減)、営業利益206億700万円(41.3%減)、経常利益212億6100万円(40.9%減)、137億4300万円(42.7%減)となった。
その原因として指摘されるのが
しまむらの商品の魅力は明らかに低下している。欲しいと思える商品が少なくなったとの声をよく耳にするようになった。
15年に発売した「裏地あったかパンツ」の大ヒットが記憶に新しいが、その後はヒット商品に恵まれておらず、近年は魅力的な商品に欠けている感が否めない。
かつて、しまむらでの買い物は“宝探し”に喩えられており、多品種を少量ずつだけ売るという、ユニクロとは真逆のビジネスモデルだったといえます。
しかし2010年あたりからは、PB(プライベートブランド)商品の比率を高めるようになり、とくにこの2年ほどは、大量に売れるものを増やすべく、商品数を絞り込んできました。
中途半端なPBが増えたせいもあって商品によっては低価格SPAチェーンと大差なくなり、ホームセンターなどのオフプライス品やメルカリなどのリユース品に顧客が流れている。
また・・・
「2016年型新レイアウト」を16年から推し進めてきた。これにより通路幅を広くし、ハンガー陳列を増やしている。
「2016年新型レイアウト」を全店で導入してきたが、これまでの“宝探し”の陳列からスリム化したことで「お客さまの戸惑いが生じた。買い物の楽しさや面白さが薄れてしまった」と、課題を残す結果となった。
しまむらグループのあの雑然とした店作り・店構え・陳列で都心の客が満足するとは到底思えない。
それこそアパレルは「物」だけではなく、「見せ方」も売れ行きを大きく左右する。
また・・・
「安い」だけでわざわざ郊外のしまむらまで出かける気にはならない。なら都心にあるユニクロで390円の投げ売り品を買った方がずっとマシである。
例えばユニクロUの新作のアレが欲しいとか、アンダーソンコラボのアレが試してみたいとかそういう商品がある。無印にも「これが欲しいな」「試してみたいな」という商品がある。例えば昨年買った「疲れにくいスリッポン」だとか「脱げにくいフットカバー」とか。
さらに最近では・・・
最近は「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」やメルカリを筆頭にネット上での衣料品の売買が普及した。
あるアパレル企業に勤める女性は、「メルカリでは『あのレア商品がこんな値段で売られている』という探す楽しみがある」と話す。
しまむらはEC強化を急ぐが・・・
プライベートブランド「CLOSSHIシリーズ」を中心に、オープン当初は128品番を販売。取扱商品は毎週追加する。
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